
そうかあ、今年もあとふた月ですかあ。
なんか、あっけない感じだなあ。
キモチ的に、“充実した一年”だったとは、ちょっと言いがたい。
まるで逃亡者のように、何かに追われるようにいつもびくびしながら過ごした一年だったような気がする。
(…って、今から一年を振り返るのはいくら何でも早すぎるけど)
いいことは何一つなかった…ってわけでもないのだけどね。
弊社の貴重なレギュラーの仕事である温泉の取材シリーズも、今年は特に、自分が前々から行きたかったところが採用されたのがほとんどで、その意味では自分としては快哉だった。
自分が行きたかった温泉宿に仕事で(ギャラをもらって)行けるのだから、こんなありがたいことはないよね。
※それは、ここ↓で見れるよ。
http://www.adnet-sakigake.com/index.html
その取材旅行以外にも長駆のドライブ旅行をしているから、これで“あっけない”って言うのは、身勝手かな。
なんか、あれなんだろうね。どこか、“満たされない”ものを引きずっている気分なんだろうね。
それが何なのか、うまく言えないのだけど。
まあ、逆に言えば、今年もまだ2ヶ月あるのだし、そのあいだに挽回して、「なかなか悪くない一年だった」…と、言えるようになりたいもんですな。

ちょっと分かりづらい写真になったけど、秋田の川に遡上してきた鮭の大群だ。
まさに、Welcome home !! といったところ。
長い旅路の末、まもなく彼らは生涯を終えるのだけど、その直前まで流れに逆らってこうして元気に泳ぎ回っている者たちもいれば、ふるさとの川の河口に入って間もなくして、力つきて腹を見せる者も出てくる。
そこはかとなく、哀れを誘うのである。
ワタクシは、異性との交遊歴はさほど華やかなほうではなかったから、かつて相見えた一人ひとりの嗜好については、比較的よく記憶しているほうだと思っている。
美味しい魚さえ食べられればとりあえずご機嫌な人、魚はちょっと苦手で、どちらかと言えば鶏肉が好みの人、などなど。
ワタクシ自身は強いこだわりや好き嫌いは特にないから、魚でいく酒席も鶏でいく酒席も、もれなくWelcome ! なのである。
ただ、そういった酒席も、めっきりなくなってきたなあ。
独りで黙々とちびちび飲んでいるのが好きなので、外でにぎやかに飲む機会が減ってきたことは、さほど寂しいこととは思わないけれども、ワタクシの生涯も、そろそろ、ふるさとの川の河口に、さしかかろうとしているのである。
最後の最後まで元気でいられる組か、もうちょっとのところで力つきてしまう組か…、ま、ここまできたらもうどっちでもいいかなと、そんな心境の今日この頃。

日曜の夕方近く、文章講座を受講してくれているご婦人からボクの携帯に電話。
聞けば、「自分の友人が突然亡くなり、弔辞を頼まれた。今までであれば自分には無理だと思っていたけれども、文章講座に参加したお陰でやれば出来そうな気がしている。それで、ちょっと書いてみたのだけど、目を通してもらえないか」とのこと。
幸い、比較的近所に住んでいる人なので、すぐさまボクのほうからクルマで向かい、原稿を預かり、「じゃ、家のほうでちょっと目を通してみます」と、引き返す。
なにしろ弔辞なので、名文だとか味わいがあるという分析は不謹慎かもしれないけれども、今まで文章を書くということに不慣れだった人の文章としては、とても良く書けていると思った。
それは、文章技巧というよりも、故人と特に親しくしていた人ならではの、心にしみる文章だ。おそらく、弔辞を読むとすれば、やはりこの人を置いて他にはいなかったということでもあるだろう。
よく書けた文章ではあったけれども、声に出して読んで人に聞かせる文章とするためには、少しだけ整形したほうがいいように思われた。
それで、本番原稿にそのまま使えるように、A4横に縦書きで2ページ、ワードでリライトして、届けた。
「読点の部分では楽譜のブレスのように一瞬リズムを整える。一行あけたところがあるのでそこでは読むときも一瞬間を置くようにする」…というアドバイスを添えて。
文章講座の活動の成果が、弔辞になって現われるとは予想だにしなかったけれども、しかしいずれにしろ、言葉で故人の供養が出来るのであれば、何よりのことではある。

[銚子大滝 / 奥入瀬渓流]
今週は、ゆったりとした気分で過ごせる一週間になるはずだったのだ。
週末に講習会があり(ご当地検定の出題者の一人としての)、そのためのパワーポイントづくりを鼻歌まじりにフンフン♪とやっていればいい一週間になるはずだったのだ。
それだのに、こまごまと横やりが入るのだな。
たとえば、今日の夕方になって、岩手県のある温泉旅館の社長さんから「相談したいことがある」と電話があり、明日顔を出すことにした。結局明日はそれで一日がつぶれてしまうだろうから、結果的に、明日やるつもりでいた作業も今夜のうちにやらなければならなくなった…ということだ。
あまりにヒマ過ぎて“ヒマ死に”しそうになるくらいの一週間もあるのだから、それを挽回する意味でも、忙しすぎる一週間というのは大いに結構なことだ。
今のところ、来週こそ、穏やかな一週間になるはずなのだけど、はてさて…

言うまでもなく、戸外の写真撮影は天気が一番の心配。
天気のほうに合わせて行動できるのならいいのだけど、先に日程が決まってしまって、あとはその日が晴れるのを天に祈って待つしかないことのほうが多い。
一日ごとに微妙に変化する天気予報に一喜一憂しながら、しかし結果的には、非常にいいコンディションで秋の遠征撮影ツアーを終えることが出来た。
奥入瀬渓流は、理想的には曇り空のほうが穏やかな雰囲気の写真が撮れて好ましいのだけど、土曜日はピーカンもいいところ。
コントラストが強くなりすぎて、却って撮りづらい。
しかしまあ、贅沢も言えないだろう。雨が降らなかっただけでもめっけもんということだ。
十和田湖の北半分は青森県側になるのだけど、その青森県側の子ノ口(ねのくち)というところにクルマを置いて奥入瀬探訪の出発点の石ヶ戸(いしげど)までバス移動となるのだが、子ノ口の無料駐車場に、土産物屋の人たちがとても丁寧な物腰で誘導してくれる。
「どちらまで?」
「石ヶ戸までバスで行こうと思って」
「次は26分だね」…と即答だ。
それでバス時間までぼんやりしようとしていたら、「お客さん、グループだったらタクシーで行ってもバス料金とあまり変わらないよ。よかったら料金交渉してきてあげようか?」。
へえ、そこまでサービスしてくれるもんかね。
結局それは、タクシーが人数分の台数を確保できなくて断念。
それからほどなくして今度は、「お客さん、バスの臨時便が出ることになったから、それに乗ればいいよ。そっちが早く着くから」…と。
なんとまあ、至れり尽くせりじゃないの。
最終的には自分の店を利用してもらおうという思惑なんだろうけど、そういうあざとさがまるで感じられないのだ。本当に観光客の立場に親身になって声をかけてくれている。
結局我々としても非常に気持ちがよかったので、奥入瀬探訪から戻ってからその店で食事をとることにしたし、同行者の何人かはその店で土産を買ったようだ。
侮れないぞ津軽人(正確には、南部人か?)…と思わされたことだった。
全国どこの観光地でも、自分の店に客を取り込もうとうるさいくらいに呼び込みをしている土産物屋があるものだけど、商売なんて二の次(と思わせるような)の、客の痒いところに手の届くような子ノ口の人たちの立ち居振る舞いは、感動的ですらあった。
非常に好印象を持って、気持ちよく帰っていく人が多いのではないだろうか。
さて、我が秋田はどんなものだろうか。
ミシュランじゃないけど、覆面調査でもしてみようかしらん。


