
たまに、イベントの裏方の仕事を手伝ってくれないかと頼まれることがあるのだ。
他のスケジュールが入っているときは断わらざるを得ないけれども、スケジュールのやり繰りがつくときは原則的に受けることにしている。
会社員をやっている頃も、たまにイベントの仕事はあった。ちょっとミーハーかもしれないけど、制作スタッフの一人としてバックヤードを我が物顔に行き来したり、楽屋や舞台袖あたりに立っている自分がなんだか“非日常的”で、あれもなかなか悪くない気分なのである。
今日のイベントもそうなのだけど、発注してくるのは、かつて同じ会社で働いていて今は独立して有限会社の社長になっている友人だ。厳密に言えば会社員時代も彼のほうが上司だったし、今も発注側対受注側の関係だけど、年齢的にはボクのほうが数歳上のはずなので、差し引きチャラでため口をききあう関係が続いている。
ちなみに言えば、この友人が制作するイベントには、元オフコースのドラマーだった大間ジロー氏がゲストとしてしばしば登場する。大間氏は、オフコース解散後、出身地の秋田に戻り、当地を拠点にして音楽活動を続けている。こちらからイベントへの協力をお願いすると快く受けてくれるのだ。細かいことを言えば、彼もちょうどボクと同い年。かくして、一年に一度か数年に一度のペースで、この、顔の見知った面々が再会をして一つのイベントを仕上げるのである。
社長は、なかなか忙しそうである。一国一城の主なのだし、ボクよりもはるかに大きな仕事を手がけ、はるかに多くの金を動かしているはずなのだが、社長業というのもなかなかしんどいものらしい。
「週明けにはすぐに松本まで行ってこなければならない」…と、ため息まじりに言う。
「クルマで?」
「新幹線。大宮乗り換えで、長野新幹線で、さらに長野乗り換え、かな」
「松本だったら、新宿から“あずさ”で向かえばいいじゃない」
「あっ」彼はちょっと息をのんだ。
実は、彼はボクと同じ、“プチ鉄道マニア”なのだ。新幹線よりは在来線特急のほうが楽しいと、彼も思わないわけはないのだ。
ただ、ネットでルート検索したら東北新幹線から大宮乗り換えで長野新幹線で向かうルートが出てしまい、彼はそれを鵜呑みにしてしまったようなのだ。
「行きのキップは買ってしまったので変えられないけど、帰りは“あずさ”にしようかな」
「うん、それがいいよ」
二人はやっぱ“鉄ちゃん(鉄道マニア)”なのだ(^^;
「ボクも近々『青春18きっぷ』で旅をするつもりなんだ」
「松本行きましょうよ」
「やだよ。まだ具体的には決めてないけど、行くとすれば北海道になると思うよ」
さてさて、ここまでの話とは別に、今月中に温泉の取材を一件消化しなければならなかったのだけど、今日になって取材予定先と電話で交渉をしていたら、先方の都合もあって、取材日が29日からの一泊二日ということになった。30日に取材を終えて家に戻ってきたら、翌日は息子の結婚式だ。なかなか慌ただしいことだ。
振り返ってみれば、ボク自身の結婚式のときもなかなか慌ただしく、結婚式の当日の朝まで仕事をしていたっけ。
息子の結婚式では、前後の日に我が家に寝泊まりする親戚も何人かいるはずで、そういう連中の酒飲みの相手もしなければならず、それからさらに温泉の取材原稿の執筆となると、青春18きっぷの旅は諦めなければならないほどの慌ただしさだが、いやいや、何が何でも旅には出るんだ!
そういう“お楽しみ”を犠牲にした人生なんて、つまらないよ。

